デビューライブに向けてレッスンを重ねるメンバーたち。
しかしメンバーの中に大きな歪みが生まれていた。
“ーーあずさちゃんがレッスンについて来れていないーー”
6名の中で唯一ダンス未経験者の櫻田あずさがダンスレッスンについて来れていなかったのだ。
休憩時間中も体育座りをして下を向いている櫻田あずさ。
メンバーも声をかけるが「うん」の一言しか返ってこない。
「あずさちゃんは本当にデビューをしたいのだろうか」
「私なんかがステージに立つと足を引っ張ってしまう」
そんなすれ違いが起きていたのだ。
しかし、もうデビューまで4日しかない。
このままじゃ本当に櫻田あずさはデビューできないかもしれない。
その夜、櫻田あずさ、青木里菜、スタッフの緊急会議が開かれた。
「皆はこんな私と一緒にデビューしたくないと思ってるはずです。」
“ーーそんなことないーー”
青木里菜が珍しく大きな声を出した。
私たちは全員あずさちゃんとデビューしたいと思っている。
MORE*は6名でMORE*なの!誰も欠けてはいけない。
だから、私たちを信じて!頼って!
もう一度聞かせてほしい。あずさちゃんはデビューしたい?
“ーーデビューしたいですーー”
次の日のレッスン
朝7:00に櫻田あずさの姿があった。自主練をしていたのだ。
そして全員が集まりレッスンが始まろうとしたときだった。
“ーー皆に伝えたいことがありますーー”
櫻田あずさが皆を呼び止めた。
「今まで迷惑をかけてごめんなさい。
これからは1秒も無駄にしません。前を向いて絶対に皆とデビューできるように練習を頑張ります。
だから少しだけ皆の力を貸して下さい。
私は….皆とデビューがしたいです。」
MORE*はまた一つ夢に向かって大きく進み出した。